
過去の災害に学ぶ-避難所の教訓
各地の大規模地震災害について、地方自治体や内閣府などの報告書、民間団体が記録した現場の声などを掲載しています。
避難所を運営する市民側の視点で、学ぶべき課題と対策を知ることがこのページの目的です。自治体全体の災害対応に関する課題については、避難所運営側で直接対応できないものが多いため、ここでは主として避難所運営に関係する課題を取り上げています。
サイト管理人もまだ全ての資料を読み込めておらず、内容の選定・要約は今後も順次見直していく予定です。
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1. 令和6年能登半島地震(2024年)
石川県の報告書によれば、この地震の特徴は、①半島地域という地理的制約、②過疎高齢化地域という社会的制約、③正月、厳寒期という時期的制約であったとされています。
1-1. 石川県:『令和6年能登半島地震対策検証報告書』(令和7年8月1日公表)
発災後概ね3カ月間の石川県が行った初動対応業務について検証し、取組・課題・改善の方向性を整理・検討し報告書にまとめられています。
3つの資料 (①地震対策検証結果のポイント、②本文、③資料編)が添付されています。
報告書で課題として7点が挙げられています。①被災者対応、②1.5次・2次避難(広域避難)対応、③災害広報、情報発信、④デジタル技術の活用、⑤県組織の災害対応体制、⑥県の受援・応援体制、⑦県民の防災意識、自助・共助意識の醸成(事前防災)
これらの内、自分たちの避難所でも起きうる共通の課題の内、以下の点は特に注意が必要だと考えます。また、在宅・車中泊被災者への支援や情報提供は、仮に避難所(あるいは町会)からの支援も必要になった場合に、何が可能なのかは議論すべき課題です。
- 被災者対応:開設のリーダーが被災、開設初期にゾーニングや間仕切りが設営できず雑魚寝が発生
- 1.5次・2次避難(広域避難)対応:想定外の長期滞在者が多数発生し、避難所が実質的に福祉避難所化した。
1-2.内閣府「令和6年能登半島地震を踏まえた災害検討ワーキンググループ」
中央防災会議 防災対策実行会議のワーキンググループの報告で、このページの中の以下が報告書です。
1-3.内閣府「令和6年能登半島地震に係る検証チーム」
「令和6年能登半島地震に係る検証チーム」の活動記録ページで、複数の資料が掲載されています。
①自治体支援、②避難所運営、③物資調達・輸送の視点から検証をしています。
このページの中の「令和6年能登半島地震における避難所運営の状況」が避難所に関する運営の報告です。
2. 平成28年 熊本地震(2016年)
平成28年(2016年)の最大震度7を観測する地震が相次いだ内陸直下型地震です。車中泊避難者へのアプローチや指定外避難所(公園・グラウンド等)への避難が議論となりました。
2-1.熊本県『熊本災害デジタルアーカイブ』
平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨といった災害記録の、大がかりなデジタルアーカイブです。以下の内容を含んでいます。
- 検証、復旧:熊本県および各団体の記録や検証をまとめたものです。震災記録、震災記録映像、復興計画など非常に多くの資料があります。
- 定点撮影:多くの定点撮影箇所を定めて、復興の様子を記録しています。
- 語り継ぎ:語り継ぎのための数十人の方の長時間インタビュー動画集です。インタビューでは、県知事、市長、村長、県や熊本市の危機管理課、消防署、自衛隊、老人ホーム事務局長、被災した小学生、中学生、大学生などの生の声を記録しています。
- 活用:熊本災害デジタルアーカイブ資料の活用事例です。
2-2.熊本県益城町:『平成28年熊本地震 益城町震災記録誌』
益城町(ましきまち)は、平成28年(2016年)熊本地震で最も被害が大きかった自治体の一つです。当時人口約35,000人の町でした。前震・本震の2回の震度7の地震により、前震で耐えた建物が本震で倒壊するケースが多く見られ、町の中心部で住宅の全壊・倒壊が集中しました。建物、道路、インフラも甚大な被害がありました。
上記のページの中にある以下のタイトルの資料があります。「平成28年熊本地震の発生から3年間、益城町が行った様々な取り組みを記すとともに、その時々の職員の思い、判断、行動などをありのままに残すことをコンセプトに本誌を編纂いたしました」という趣旨で、一般販売もされている記録です。
平成28年熊本地震 益城町震災記録誌(概要版)
平成28年熊本地震 益城町震災記録誌(本編)
2-3.熊本県:『平成28年熊本地震記録誌』
熊本県公立文化施設協議会が平成30年に発行した資料です。熊本県内の文化施設それぞれの災害時の損傷、再開、復旧途中の過程を記録し、働く方々の意見、施設の課題や防災の課題などを記載しています。
2-4.内閣府(防災担当)『平成28年熊本地震に関する状況等』
このページの中にこのタイトルの資料があります。
- 内閣府(防災担当)『平成28年熊本地震における避難所運営等の事例(途中経過)』
自治体職員、NPO 団体等へのアンケートの回答の取りまとめ途中の現場の成功事例や失敗事例などが記載されています。 - 熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループ
- 「平成28年熊本地震に係る初動対応検証チーム」『初動対応の検証レポート』(平成28年7月)
行政側から見た初動の課題が書かれていますが、発災初期の住民の行動や課題も記載されています。
3. 平成23年 東日本大震災(2011年)
津波および広域停電・通信途絶に伴う長期避難、要配慮者支援の課題が顕著になった広域複合災害です。
3-1.仙台市:『東日本大震災 仙台市震災記録誌』
3-2.内閣府(防災担当):『東日本大震災における避難所運営等に関する調査研究 報告書』
3-3.日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会の東日本大震災における活動の記録です。
- 東日本大震災における災害支援ナースの活動
このページから下記にリンクしています。 - 東日本大震災における日本看護協会の活動
看護師の活動記録から、避難所での避難者の健康維持、医療面の考慮点がある程度理解できます。
3-4.減災と男女共同参画 研修推進センター
東日本大震災「災害・復興時における女性と子どもへの暴力」に関する調査報告書 が公開されています。
避難所、仮設住宅での女性へのDV、性暴力、セクハラなど当事者の証言ベースでまとめられています。被災地の停電下の学校での子供への暴力などについても記載されています。
※本資料は2014年に解散した「東日本大震災女性支援ネットワーク」から同センターが事業を引き継いでいます。
このリンク先に「東日本大震災女性支援ネットワーク」の資料ダウンロードページがあります。
3-5.国立国会図書館 東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」
国立国会図書館 が、各自治体・団体が刊行した記録誌を横断的に集約し、検索が可能です。
4. 平成16年 新潟県中越地震(2004年)
4-1.新潟県:『新潟県中越地震 検証報告書』
4-2.長岡市:『新潟県中越地震 長岡市震災記録誌』
4-3.内閣府 2004年(平成16年) 新潟県中越地震・新潟県
5. 平成7年 阪神・淡路大震災(1995年)
5-1.神戸市:『阪神・淡路大震災 神戸市の記録』
阪神・淡路大震災の資料、データアーカイブ、震災後10年間の記録などのポータルです。
以下は、ポータルの中の資料で、多くの被災者の声をまとめたものです。
震災を体験してあの時に役立った私の知恵
5-2.内閣府『阪神・淡路大震災教訓情報資料集』
内閣府(当時は国土庁)の平成9〜11年度実施の教訓情報分析・活用調査の成果です。
以下の4段階に分けて、各段階の中もカテゴリー分類して当時の課題が非常に詳細に書かれています。
大規模地震災害の中で、最も細かく網羅的に問題が書かれています。
①初動対応(初動72時間を中心として)
②被災地応急対応(地震発生後4日~3週間)
③本格的復旧・復興始動期(地震発生後4週間~6ヵ月)
④第3期以降も続く課題(地震発生後6ヵ月以降)
5-3.ウィメンズネット・こうべ編『女たちが語る阪神淡路大震災』(書籍)
阪神淡路大震災後、被災地の女性たちの生の声を伝え記録したいとの思いから、ウィメンズネット・こうべが木馬書館から1996年に出版した書籍です。
女たちが語る阪神・淡路大震災1995-2024 いいたいことがいっぱいあった (書籍) (リンク先はAmazonです)
その約30年後、同じウィメンズネット・こうべが、「2024年1月1日、能登半島地震でも避難所の状況はほぼ同じだった」と問いかける書籍です。
5-4.神戸大学附属図書館 震災文庫
震災文庫には、阪神・淡路大震災の書籍や電子ブックが数多く収蔵されており、デジタルアーカイブもあります。
「避難所」のキーワードで検索すると69の書籍がリストされます。以下はその一部です。
- 阪神・淡路大震災における避難所の研究
- あのとき避難所は : 阪神・淡路大震災のリーダーたち
- 阪神・淡路大震災における学校避難所の研究 : 「記憶」と「記録」を継承するために
- 大規模災害時における避難所のあり方に関する研究報告書 : 阪神・淡路大震災から学び今後に備えるために
- 瓦礫の中のほおずき : 避難所となった小学校の一教師の体験
- 1995・神戸・ある避難所の記録